当社では「カメラ式×据置き型」(3種類)と「レーザー式×ハンディ型」(1種類)の3Dスキャナを保有しておりますが、今回は新しいタイプの3Dスキャナである『Absolute
Arm』(Hexagon社)を導入しました。
『Absolute Arm』は「レーザー式&タッチプローブ式×アーム型」になりまして、当社にはこれまで無かったタイプの3Dスキャナになります。
本ブログではアーム式3Dスキャナ『Absolute Arm』の概要をご紹介致します。
装置の仕様
ハードウェアの仕様
■メーカー:Hexagon社
■型式:Absolute Arm 8525 -7
■7軸アームの仕様:
- 型式:8525-7
- 測定精度(接触式プローブ):0.031mm
- 最大リーチ:2980m
- 保護等級:IP54
■3Dスキャナの仕様:
- 型式:AS1(ブルーレーザーラインスキャナ)
- 測定精度(スキャナ単体):0.016mm
- レーザーライン幅:150mm
- ポイント取得速度:最大120万ポイント/秒
- フレーム単位ポイント:最大4,000
- フレームレート:最大300Hz
- 最小ポイント間隔(点間ピッチ):0.027mm

ソフトウェアの仕様
■メーカー:innovmetric社
■型式:PolyWorks Inspector Premium
■機能:
- 点群データやポリゴンデータを使用した測定・解析
- CADデータと3Dスキャンデータ(=設計データと測定データ)の寸法・形状の比較
- レポート作成
- CNC三次元測定機の寸法測定・自動測定プログラム作製

装置の特長
特長①:マーカーレス&スプレーレスでの3Dスキャン
ポイントマーカー(シール)無しでのスキャンデータの合成とブルーレーザーの採用により測定光の乱反射防止用スプレーの処理無しでのスキャンの実施が可能です。
そのため、マーカーやスプレーによる汚れや傷がNGの測定対象物(工場設備、精密部品、文化財等)についても気兼ねなくスキャンを行うことが可能です。
特長②:光沢サンプル&複数色サンプルの3Dスキャン
3Dスキャナの『AS1』はスプレー無しでも光沢のあるサンプルや複数色のサンプルの3Dスキャンを行うことが可能です。
切削加工にて製作された治具や複数の色付けがされた犬の置物につきましても、きれいなスキャンデータを取得することができました。
特長③:タッチプローブでの接触測定&3Dスキャナでの非接触測定
3Dスキャナによる非接触測定だけでなく、タッチプローブによる高精度な接触測定にも対応しています。そのため、全体的な形状は3Dスキャナで測定して、精度が要求される穴や位置決めピンはタッチプローブでピンポイント測定を行う等の自由度の高い測定が可能です。
また、タッチプローブは三次元測定機と同様に測定箇所の形状に合わせて様々なタイプのプローブに付け替えることが可能です。
特長④:コードレス&IP規格に対応
パソコンとのワイヤレス接続とバッテリー(充電式)駆動によるコードレスでの測定に対応しており、さらにIP54レベルの保護等級にも対応しているため、加工現場や屋外等の厳しい環境でも測定の実施が可能です。
まとめ
以上のようにアーム式3Dスキャナ『Absolute Arm』には様々な利点がありますが、アーム式であるがゆえにカメラ式&据置き型の3Dスキャナよりも測定精度が少し悪いとか、ハンディ型の3Dスキャナよりも取り回しが悪い等のデメリットも存在します。
3Dスキャナにはどうしても得手不得手がありますので、当社ではあらゆる状況にご対応ができるように様々なタイプの3Dスキャナを保有しております。測定対象物・測定環境・目的に合った最適な3Dスキャナをご提案させていただきますので、お気軽にお問合せください。