熱溶解積層方式(FDM or FFF方式)の3Dプリンタは装置としての構造がシンプルであることから数万円で購入できるモデルも多数発売されておりますが、そうした装置で造形されたサンプルは形状が歪んでいたり積層痕で凸凹になっていたりと、工業用の部品・治具・試作品・展示品として利用するには十分な品質ではありません。
弊社では工業用のFDM方式3Dプリンタである『Mark X7(Markforged社製)』を保有しておりますが、使用できる材料がPA(ナイロン)系の材料に限られていました。
そこで、昨年の12月にABSやPC、PLAのような一般的な材料での3D造形が可能な『MOMENT M350(MOMENT社製)』を導入しましたので、設備の仕様・特長・事例についてご紹介します。
設備の仕様
メーカー:MOMENT社
型式:MOMENT M350
仕様
・造形方式:FDM方式(※熱溶解積層方式)
・造形サイズ:W350×D350×H350mm
・積層ピッチ:50~300μm
・解像度(XY精度):12μm
・解像度(Z精度):0.625μm
・ソフトウェア:Simplify3D
使用可能な材料(色)
PLA(全10色)、ABS(全9色)、PC(黒/白/クリア)、PA(黒/ナチュラル)、CF-PA(黒)、フレキシブル材(全4色)、木調材等
設備の特長
特長①
MOMENT 専用の7種類の材料(PLA、ABS、PC、PA、CF-PA、フレキシブル材、木調材)が使用できるだけでなく、Polymaker製の豊富な材料の使用も可能。
特長②
造形可能サイズがW350×D350×H350mmと卓上の3Dプリンタでは最大級。
特長③
装置の剛性が高く、安定した造形により品質の高い造形品の製作が可能。
造形事例
ボールジョイント(材質:ABS、色:黒)
土偶(材質:PLA、色:白)
工業用パーツ(材質:PC、色:黒)
まとめ
『MOMENT M350』はFDM方式であるため、土偶のレプリカ製作のような表面の微妙な凹凸を正確に表現しなければならない造形には不向きですが、ボールジョイントや工業用パーツの製作のように形状精度と強度が求められる造形に関しましては問題の無い造形を行うことができました。
以上のように『MOMENT M350』は一般的な材料を使って比較的大きなサンプルを安価に造形することが可能であるため、より幅広いご要望にお応えできるようになるかと思います。
お見積りは無料ですので、3Dプリンタでの造形をご検討の方は気軽にお問い合わせください。