昨年、導入しました光造形タイプの3Dプリンタ『Form3』はゴムライク材料(フレキシブル樹脂)の使用も可能となっておりますが、その材料を使用して内部配管が設計されたサンプルの造形を行った事例をご紹介します。
使用設備
■メーカー:Formlabs社
■型式:Form3
■本体の仕様
・造形方式:LFS方式(※光造形の一種)
・造形サイズ:W145×D145×H185mm
・積層ピッチ:25、50、100、300μm
(※使用材料により異なる)
・レーザ焦点サイズ:85μm
・XY解像度:25μm
■使用可能な材料
・材料:ABSライク、PEライク、PPライク、シリコンライク、ゴムライク、高耐熱、ガラス成分入り、キャスタブルワックス(※いずれもアクリル系の紫外線硬化樹脂)
・色:クリア、グレー、白、黒、青、ベージュ
使用材料
今回使用した材料は『Flexible 80A』になります。ショア硬さ80A(※靴底やタイヤと同等の硬さ)でエラストマー特性があるためゴムのように柔軟で、曲げや圧縮に強いパーツを作製することが可能です。
造形手順
造形手順①
CADデータをSTLデータに変換し、付属ソフトウェアのPreFormを使用してサポートの生成やプリント条件の設定を行う。
造形手順②
作成した造形データを3Dプリンタ本体に転送して造形・洗浄を実施。
造形手順③
Form CureにてUV照射による二次硬化を行い、サポート材を除去して完成。
内部配管の径がφ1mm程度とあまり大きくない上にゴムライク材料ということで造形できるかどうかが未知でしたが、内部にサポート材が残ることもなくきれいな造形ができました。
まとめ
通常の加工方法では軟らかい樹脂の内部に複雑な形状の空洞を作ることは難しいため、こうした特殊な造形は3Dプリンタならではであると言えます。
加工が難しいサンプルでも3Dプリンタを使うことで製作が可能になることがありますので、まずはデータをお送りください。無償で3D造形の可否を判断させていただきます。