当社ではカメラ式の3Dスキャナは『ATOS Q』(ZEISS社)を所有しておりますが、同じカメラ式で別の機種である『GOM Scan 1』(ZEISS社)を新たに導入しました。
『GOM Scan 1』は測定レンズが固定されたタイプになりまして、「シンプルな設計」「コンパクトな筐体」「持ち運びのしやすさ」「簡単な操作」「低価格」が特長となっておりますが、同時に高精度なスキャンができるスペックも持ち合わせています。
今回のブログでは『GOM Scan 1』の仕様と特長について詳しくご紹介します。
ハードウェアの仕様
■メーカー:ZEISS社
■型式:GOM Scan 1
■仕様
・光源:LED(ブルーライト)
・ポリゴン解像度:600万画素
・測定精度:±10~±25μm
・点間ピッチ:37~129μm
・測定ヘッド(スキャン範囲):MV100(100×65mm)、MV200(200×125mm)、MV400(400×250mm)
ソフトウェアの仕様
■メーカー:ZEISS社
■型式
:ZEISS INSPECT Optical 3D Pro
:ZEISS INSPECT Optical 3D-Free
:ZEISS INSPECT Viewer
■機能
・点群データからのポリゴンメッシュ作製・編集
・形状・寸法・幾何公差の解析
・3D検査(CAD比較)
・パラメトリック検査
・オフライン測定プログラム作製
■無償版『ZEISS INSPECT Optical 3D-Free』『ZEISS INSPECT Viewer』のダウンロードは以下になります。
https://www.handsonmetrology.com/ja/products/software/zeiss-inspect/
特長
【特長①:シンプル&コンパクト】
レンズ交換不要のシンプル&コンパクトな設計になっており、持ち運びがしやすいこと、限られたスペースでも作業がしやすいこと、対象物のサイズに応じて測定範囲を簡単に切り替えられること等の利点があります。
測定ヘッドはMV100、MV200、MV400の3種類があり、小型から中型までの測定物を高精度にスキャンすることが可能です。
【特長②:高品質で安定したデータの取得】
・600万画素のポリゴン解像度⇒微細形状も測定が可能。
・ステレオカメラ方式⇒2つのカメラで形状データを取得し、測定中の環境も常時把握。
・セルフモニタリング機能⇒ソフトウェアがセンサーの状態を継続的にモニタリング。
・ブルーライトテクノロジー⇒狭帯域のブルーライトの採用により光沢物や黒物の測定にも対応。
【特長③:オールインワンのソフトウェア】
・スマートなポリゴン化⇒扱いやすいメッシュサイズを維持しながら形状のディテールを持ったメッシュを作製。
・豊富なメッシュ編集機能⇒3Dプリント、3Dモデル化、リバースエンジニアリング等のためのデータの微調整が可能。
・検査機能の充実⇒CADやメッシュファイルのインポート、位置合わせ、3D偏差表示、寸法・角度の算出、幾何公差の検査、レポート作製等を簡単&効率的に実施可能。
【特長④:多彩な用途】
・リバースエンジニアリング…スキャンデータからのCAD化、解析用の3Dデータ取得等。
・3D検査…CAD図面との比較評価、寸法・幾何公差の検査、統計的な工程管理等。
・3Dプリント…スキャンデータからの3Dプリント、3Dプリント品の形状検査等。
・文化財・デザイン…文化財のアーカイブ化、デジタルコピーの作製等。
まとめ
『GOM Scan 1』の良い所ばかりをお伝えしてきましたが、ZEISS社のATOSシリーズ(ATOS 5、ATOS Q等)と比べますと画素数が劣ることとトリプルスキャン機能が無いことからスキャン回数が少し増えるというデメリットもあります。
ただ、測定物の形状やスキャンデータの用途によっては『GOM Scan 1』で取得したデータで必要十分であることが多々ありますので、装置が安価に設定されていることを考えますと非常に使い勝手の良い3Dスキャナであると言えるかと思います。
当社では『GOM Scan 1』を用いた3Dスキャンの受託サービスだけでなく販売・レンタル・教育も行っておりますので、『GOM Scan 1』の実力を様々な形でお試ください。