GOM社の3Dスキャナである「ATOS Q」「GOM SCAN 1」「T-SCAN hawk 2」は導入時にご紹介しましたが、それらで使用されている3D測定データの検査・評価用ソフトウェアは簡単なご紹介になってしまっておりましたので、今回のブログでは『ZEISS INSPECT』について詳細なご紹介をさせていただきます。
ソフトフェアの仕様
■名称:3D点群用評価ソフトウェア
■型式:
・ZEISS INSPECT Viewer
・ZEISS INSPECT Optical 3D-Free
・ZEISS INSPECT Optical 3D Pro
(※2023年10月に『GOM Inspect』から『ZEISS INSPECT』へと名称が変更されました。)
■機能
・点群データのポリゴン化
・メッシュ処理
・設計値と実測値の比較
・カラープロット
・2D断面または複数の検査ポイントの解析
・パラメトリック検査
・Teaching By Doing
・傾向・統計的工程管理(SPC)・変形解析
・レポート作成
・バーチャル測定室(VMR) 等
特徴
特長①:精度保証された3D計測ソフトウェア
PTB(ドイツ国立理工学研究所)やNIST(米国国家標準技術研究所)からソフトウェアによる測定の精度保証に関する認定を受けており、測定偏差が最も小さいカテゴリー1に分類されています。
また、製造プロセスにて要求される様々な測定・解析にも対応しています。
特長②:多様な測定データのインポート
レーザースキャナ、ホワイトライトスキャナ、CMM、CTスキャナ等の異なる測定機からの測定データをインポートして、それらのデータを処理・フィルタリング・間引きすることが可能です。
特長③:全体形状解析
光学式計測の最大の利点は色分けされた偏差プロットを用いた全体形状での評価と可視化にあり、部品の問題箇所を直感的に見つけることができます。設計値と実測値の比較、実測値同士の比較等、様々な解析が可能です。
特長④:ビジュアル・プログラミング
プログラミングのスキルを用いることなくグラフィックユーザインターフェースから検査のテンプレートを簡単に作製できます。
また、Teaching By Doing機能を使用することで検査ステップが自動的に保存され、2個目以降の部品の評価に簡単に適用することが可能です。
特長⑤:無償版ソフトウェアの機能の充実
無償版の「ZEISS INSPECT Optical 3D-Free」にて誰でも3D検査、ポリゴンメッシュ生成、メッシュ処理、レポート作成等の実施が可能です。また、測定結果やCADデータのビューアとしても使用できます。
ただし、複数評価用のテンプレートやマクロの生成、傾向分析、デジタルアッセンブリ等の使用に制限があり、それらの機能の使用には有償版の「ZEISS INSPECT Optical 3D Pro」が必要となります。
特長⑥:バーチャル測定室(VMR)
「ATOS ScanBox」で必要となる要素の集中制御及び測定計画の実施が可能です。特別なロボットの専門知識が無くても自動測定プログラムを作製することができ、ロボットの動きをバーチャル測定室でシミュレーションすることで実行前に安全性のチェックが可能です。
まとめ
当社では過去にいくつかのメーカーの3D測定データの検査・評価用のソフトウェアを使用して来ましたが、その中でも『ZEISS INSPECT』は「多機能」「点群データのポリゴン化がきれい」「無償版で利用できる機能が多い」等の理由で最も優秀なソフトウェアではないかと考えております。
3Dスキャナを用いた検査・評価・図面化等のデータ品質はハードウェアだけでなくソフトウェアのスペックにも左右されるため、3Dスキャナの選定の際はソフトウェアの比較評価にも時間をかける必要があるかと思います。
当社は3Dスキャナの総合的なサービス(販売・レンタル・教育・受託スキャン)をご提供しておりますので、3Dスキャナの活用や導入に関してお困りの事がございましたらお気軽にご相談ください。